外貌醜状で9級16号の後遺障害認定獲得。自賠責で616万円の入金を受け、なお交渉中の事例
事故発生時の状況
依頼者が自転車を運転中、交差点の横断歩道を渡ろうとしたところ、赤信号を無視して右方から直進してきた自動車の左側面に突っ込む形となり、顔面挫創、右鎖骨骨折等の傷害を負いました。
依頼者は通院を続けましたが、事故から約9か月後に症状固定となり、顔面に傷が残りました。依頼者は、事故直後に別の法律事務所に依頼しましたが、なかなか進捗が見られなかったため、事故から約1年後に当事務所に改めて依頼をいただきました。
当事務所の活動
既に症状固定の診断書が出ており、症状固定時までの治療費等は相手方保険会社から支払われていたため、当事務所ではまず後遺症の申請を被害者請求の方式で行いました。結果として、9級16号の等級認定を獲得することができ、自賠責から616万円の賠償金が支払われました。
もっとも、この額では、過失相殺による減額があったとしても、本件依頼者の後遺症による逸失利益、傷害慰謝料、後遺症慰謝料を賄うには到底足りません。
そこで、当事務所は、現在、相手方保険会社との間で、双方の過失割合及び本件依頼者の後遺症による逸失利益、傷害慰謝料、後遺症慰謝料の額について交渉を継続しております。交渉の進捗状況によっては、調停や訴訟も視野に入れています。
ポイント
まず、後遺症の等級認定を獲得できたことが1つのポイントです。これが認められたことで、後遺症による逸失利益、後遺症慰謝料の請求が可能となります。現在の相手方保険会社との交渉においては、双方の過失割合と、それぞれの損害費目の額が争点となっています。
双方の過失割合については、本件事故に関する刑事記録を読み込み、被害者と加害者の言い分の異なる点を明らかにした上で、客観的証拠や第三者証言と照合した結果、被害者の言い分の方が信用性が高く、被害者の過失割合がゼロか、ゼロでないとしても相当小さいことを主張し、相手方保険会社を説得しています。
損害費目の額については、相手方保険会社は、外貌醜状では後遺症による逸失利益は認められないと主張しています。これに対し、当事務所では、外貌醜状のみで逸失利益が認定された裁判例を調査し、これを基に相手方保険会社を説得しています。